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「これが書かれた頃は、絵巻物が多数 書かれた時期だった。
物語の1つとして捉えていたのだが... 」
巻物の内容は、神社に 白い焔の神獣が降りた というものだ。
形は天馬のようであり、触れたものは 血を沸騰させて亡くなったと。
「何故 降りたのかは、明確には書かれていないが
神童のような子がおり
“知らぬ言葉で祝詞を唱えた” とはある。
この頃 付近は、世が移り行く不安定な時期でもあり、物だけでなく 人も拐うなどの略奪や、乱暴狼藉も横行していた」
へぇ。なんか荒れてたんだな。
「人々は神に平穏を祈った。
なかなか世は変わらなかったが。
神社にまで賊が押し入った時に、子供が祝詞を捧げ出した。誰も知らない言葉で。
白い炎の天馬が降り
天馬を捕らえようとした賊の血を焼いた。
その後、世は平穏を取り戻した。... と
ここには、そういったことが書いてあるんだ」
「ふうん... 本当に昔話みたいじゃん。
おもしれー」
ルカが「なあ」と言うので
「おう。その獣って、いいヤツっぽいよな」と
適当なことを返すと
「人の血を焼くものがか?」と
おじさんに厳しい眼で見られた。
やべぇ。
こうなると、だいたい説教が続くんだよな...
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