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朋樹ん家 戻って、二階の朋樹の部屋にいる。
朋樹が帰省した時に、ここで寝るので
ベッドは昔のままあるけど、あとは折りたたみのテーブルがあるだけ。
クローゼットには、幾らか 朋樹が残した物が詰まっているようだが、オレらが隣の市に越す時に めぼしいものは、当時 まだ高校生だった弟の晄に渡り、今は それもほとんどない。
朋樹とジェイドが、テーブルにスマホ置いて
音声を聞きながら 訳してメモを取り
ルカと榊は、クローゼットから勝手に引っ張り出したアルバム 見てて
オレはベッドに転んでいる。
「最初は “救い主” に、早く来てくれ と
祈願している。
これは次の “Huyah”
“唯一の神”を 指すものだろう。
“あなた” “愛された者” “安住の地を” と
続いている。
おじさんが言っていた当時の状況であれば
こう願うのも わかるね」
へー。
「泰河ぁ、おまえガキの頃から見るからに
言うこと聞かなそうな感じだよなー」
「いかにも腕白坊主といった童であるのう」
うるせぇ。
「次の単語だが、“バケー”
これは “baker” だと思う。
意味は、“最初に出来る” とか “初子” 。
“va” “そして” “hakets” “終わり”」
「あっ! ボティスが
“原初で終” とか言ってたぜ! なぁ、泰河!」
もう、ルカ うるせぇよ。
知らねぇよ。オレ、半分 寝てたしさ。
今も うっすら眠いしよ。
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