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「次が、“神聖な働き”。 “溶ける” または “融合する” だ。 それから、“統一” や “一つとなる”」 「“最初 そして終わり、神聖な働き 融合する、一つになる”?」 朋樹が確認している。 何が溶けるんだよ。 最初から最後まで って何だよ。 「次なんだけど... 」 ジェイドが 何度か聞き直している。 「同じ言葉を繰り返している。 “エーイエ”、“ehyer”... だろうと思うが。 “ehyer asher ehyer”... “私は有って有る者” これは、聖書にもある言葉なんだ。 次の “ヤイェー”、これが “yayehe”なのなら “神が生まれる” だ」 「じゃあ、あの獣は その時に生まれたのか... ?」 えっ... 寝転んでる内に、なんか壮大な話になってねぇ? ちょっと目ぇ覚めた気がする。 「ボティスは “神の意図的な創造物じゃない” って言ってたぜ。 “全てから自然発生したもの” なんじゃないか? って」 もうすっかりアルバムを閉じた ルカが言う。 「どこの神話の神からも造られてないらしくてさぁ “物質や現象のすべてだと考えられる” って」 神々が造ったものから 勝手に産まれた... ってことか? 「ほう... ならば儂らも、それに含まれようのう」 榊も口を挟み、朋樹は 「マジか... 」と、ちょっと興奮している。 「これを言った子供 というのは 最初は 祈願を述べているが 途中からの、抽象的で断片的な言葉には まるで預言を言っているような印象を受けるね」 ジェイドが言うことに、確かに... と思うが 預言だとしたら 誰からだよ?と、はたと気づく。 預言って、神とか天使とか、そういうのから人に伝わるんじゃねぇの? その辺りを聞いてみると 「この獣自身か、獣が生まれたことを知っていた者かもしれない」ってことだ。
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