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「じゃあ 獣自身か、サンダルフォン?」 なんかさ、キュべレ側ってことは ない気がするんだよな。 悪魔って預言とかしなさそうだしさ。 「まったく別のヤツって恐れも ないことはないが、ヘブライ語だしな... 」と 朋樹も言うが、ルカが 「けどさぁ、なんで日本語じゃないんだよ? なんかの預言受け取ってもさぁ、普通は自分が普段 喋ってる言葉 使わねー?」と 考えてみれば もっともな疑問を投げてきた。 そうだ。おかしいよな。 預言者って、自分の国の言葉で話すし ルカの指の文字や記号は、天の物だと シェムハザが言ってた。 天には、地上とは違う言葉があるってことだ。 「その、神童と呼ばれておった(わらし)は 何についての神童なのであろうのう」 榊が 少し考えながら聞く。 「父上殿は、ただ “神童” と言うたが それは、男の童であろうか?」 神童 って、男の子のイメージあるよな。 昔だと余計にさ。 「つい最近の頃までは、女子(おなご)は何らかの才を持っておっても、才を発揮する機会がなかったようであるのう。 よって 神童と言えば、男の童を思い浮かべるが」 うん、そうだよな。 今は女の子でも、特別に何かに秀でていたら 神童って言われるみたいだけどさ。 「その、ヘブライ語とやらを (くだん)(わらし)が知っておったのかもしれぬが 知らぬ言葉であるなら、巫女 ということは考えられぬか?」 「あっ、そうか! 神託 賜ってた とか言ってたもんなー。 それなら、降りたヤツがヘブライ語で言った ってことか!」 「なら、イスラエル人やユダヤ人が?」 「そうとは限らないんじゃないか? ジェズも、アラム語とヘブライ語を使っていたという」 盛り上がってんなぁ。
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