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「だが (かみ)も時に怒り、世界を 一掃する」 突然、ここにはいないはずのヤツの声がした。 「ボティス... いきなり湧くな って言ってるだろ」 ボティスは、ハーゲンティやマルコシアスのように、ソロモン王に使役された悪魔の 一人だ。 60の軍を持つ黒い大蛇の悪魔で 過去、現在、未来の三世を見通すことが出来 人の思考を読む。 今は人型でいるが、耳の上から伸びる長い角が 二本あり、口の両端からは長い牙が出ている。 ライトブラウンのベリーショートへア。 つり上がった切れ長の赤い眼。 両耳にはピアス、指には オレから取った指輪を含んだ指輪をゴロゴロ付け、七分袖のシャツにジーンズ。 服は だんだん現代っぽくなってきてる気がする。 「玄関の呼鈴を押せというのか?」 「いや、やめろ」 「面白そうな話をしてるじゃないか」 ボティスは、わざわざルカを移動させて 榊の隣に座った。 「ボティス、そのシャツ かわいーじゃん」 ルカは オレの近くに移動してきて、ベッドの奥にオレを転がすと、自分がベッドに座った。 ボティスは、ルカが着ている 幅のでかい黒と紺のボーダーのシャツを見て 「交換してやってもいい」と 自分の水色の七分袖シャツを摘まむが 「何の用だよ?」と、朋樹に言われて テーブルからメモを取っている。
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