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「... 近づいて来てるな」 「なんか まずくね?」 「とりあえず、外に出てみようぜ。 このまま ここにいると、おばさんに迷惑 掛かりそうだし」 階段を降りると、おばさんが起きて来た。 「あんた達、こんな遅くに... 」 もう、そんなに遠くない場所から騒ぐ声がして おばさんがギョッとした顔になる。 「集落の人たちみたいなんだ」 「オレら、ちょっと出て来るよ」 「警察 呼ぶから、ここにいなさいな」 おばさんは言うが、民宿に被害が及ぶ恐れがある。 「ちゃんと戻って来るよ」と ルカが ヘルメットをおばさんに渡した。 「おばちゃん、オレのバイクさぁ 玄関に入れさせてもらっていい? あいつら、触りまくるからさ」 おばさんが頷くと、ルカはバイクを牽いて来て、 オレらが玄関を出た後に運び入れた。 ヘルメットを外して、おばさんに渡す榊に 「お嬢さんは いなさい!」と 言うが 「心配 要らぬ。鍵を閉めよ」と 榊も出て 「隠して行くか」と、民宿に神隠しをかける。 「おまえも隠れとけよ」 オレが言うと、榊は 「それでは最初に来た者と 数と合わぬ。 儂の心配より、自分の心配をするが良い」と 道路の方を示す。 騒ぐ声と懐中電灯の灯りは、すぐ傍まで来ていた。
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