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******** 神社の空き地には、おじさんの車があったが おじさんはいなかった。 ミキさんに付き添って、救急車に乗ったようだ。 集落に向かうものだと思っていたのに 集団は神社の階段を昇り出した。 オレも ばあちゃんを背負(しょ)ったまま 懐中電灯で足元を照らす榊と 一緒に、神社の階段を昇る。 鳥居の先、社の前には朋樹とルカが立ち ジェイドが社の中へ入った。 透樹くんが「少し待たれてください」と 集落の人達を社と鳥居の間に集めている。 オレと榊も 社の前に行き 「帰りも またおんぶするからさ」と ばあちゃんを社の端に座らせた。 社の賽銭箱の前に、少し新しい血が落ちているが たぶん、ミキさんの血だろう。 「穢したな」と、朋樹が冷ややかな眼を向けている。 社の中から、ジェイドが朋樹を呼んだ。 「これを... 」 依代(よりしろ)の鏡を手に取っている。 オレも社に上がると、ジェイドと朋樹は 依代の鏡の裏を見ていて 「... ルシファーの印章だ」と、ジェイドが言った。 「えっ? 皇帝?」 言われてみれば、シェムハザの城で描き写させられた魔法円の中に、こういう模様もあった気がする。 「香香背男って... 」 「可能性はあるな」 鏡の裏を見つめる 二人に、これから どうするのかを聞くと 「とりあえず、集落の人の 気を落ち着かせる」と言うが、どうするつもりだろう? 「ボティス、ちょっと来てくれ」 朋樹が呼ぶと、社の中に黒い渦が巻き ボティスが出現した。 呼べば来るのか...
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