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集落で皆が家に戻り、ばあちゃんも家に送ると
オレらは集落の真ん中辺りの道端に集まった。
「夜は まだ冷えるよなぁ」
ルカが 寒そうに腕を組む。
「さて、どうするか。
その異形のヤツが出るまで待つか?」
「塚の近くの小屋にいるんじゃないのか?
そちらに眼を向けるために、結界の縄をかけたんだろう?」
そうだった。
だが集落の人が これだけ騒いで、自ら結界を出ているし、結界もクソもないと思う。
「俺は普段通り、各家に厄祓いに行く」と
透樹くんが言うと
「オレも手伝うぜ」と、朋樹も言った。
「いや、おまえ格好が格好だし
大麻もないしな... 」
透樹くんは渋ったが
「早く済んだ方がいいだろ?」と
朋樹は譲らず、ムッとした顔になっている。
「朋樹。もし異形の者が出たら、僕らだけで どうするんだ?
僕は、ゴーストは得意じゃない」
ジェイドが言うことにル カも乗り
「オレも 祟りとかだと、ただ いるだけなんだぜ。
どうすんだよ? なあ、泰河」と言うので
オレも頷き
「ばあちゃんは護りたいからな」と添えた。
朋樹は「しょうがねぇな... 」と折れ
「親父に連絡してみるわ」と 電話をかけ始めた。
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