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「一応、魔法円を敷いておこうかな」 ジェイドが簡単に言ったけど 「えっ? あれ描くのか?」とゲンナリした。 魔法円ってさ、すげぇ面倒くさいんだよな... 「道具ねぇじゃん!」 ルカも免れようとするが、ジェイドは 「他の道具は代用が利く」と 黒柄のナイフをジーパンの後ろから出した。 それ、持って来てたのか... 「魔法円の図形、覚えてねぇし」 まだオレが言ってみると、ジェイドはスマホを取り出した。 「自分が描き写したものであれば、写真は撮れた。 おまえたちも撮っておくといい」 マジか... 「さあ、まず中心に立てる棒のような物と 紐状の物を探そう」 うわぁ... 「ほう、これが魔法円というものか。 一度 青い円に入ったことがあるがのう」 榊が のんきにスマホを覗いて言っている。 オレらも、悪魔みたいに 一吹きで描ければな... 透樹くんの祓詞が遠くから聞こえ出した。 中にいる人は、なんか安心するだろうな。 「ミキさんて人、腕は 少し縫うことになったけど、もう帰れるみたいで、親父が連れて帰って来る ってよ」 朋樹が スマホしまいながら言った。 「親父とミキさんが戻ったら ミキさんの家に居させてもらえそうだぜ」 そうか。けど魔法円は 時間かかるからな。 どうせ7つも8つも描くんだ。 「オレも 式鬼仕掛けに行くかな。 榊、暇だろ? 一緒に来るか?」 朋樹は出来ることあるから、魔法円は免れるんだよな...
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