21

1/7
737人が本棚に入れています
本棚に追加
/224ページ

21

「まったく。こんな時に お前達は何をしているんだ?」 朋樹とルカのとこに戻ると 腕組みした おじさんが、二人に説教していた。 朋樹は結局、ジーパンを下ろしたらしかった。 「いや、おじさん。オレだって別に 朋樹のパンツなんか見たくないんだけどさぁ」 「ルカは天の筆で、霊や念に印を付けれるんだって言ってるだろ」 おじさんは オレに気づくと、ムッとしたままの顔で 「泰河。お前も何をフラフラしている?」と 不機嫌な声で聞く。 「トイレついでに、塚 見てきた」 「塚に近づいたのか? 勝手なことをするなと言ってるだろう」 オレにも飛び火したか、やっぱり。 透樹くんが 御神酒の空き瓶を持って戻って来たが 「朋、肩を見せてみろ」と、しゃがみ うまく おじさんの視界に入るのを避けている。 さすがだ。経験の差ってヤツだな。 「だいたいだ。多少 妙なことが出来るからといって、こうしたことに日頃から顔を突っ込み 強引に霊を送り、無理にでも解決させる。 何になったつもりでいる? お前達には、神や自然を畏れ敬うということが足りん... 」 これは 長くなりそうな気がする。 なんか逃げ場は... あ そうだ
/224ページ

最初のコメントを投稿しよう!