全3/37エピソード・完結
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車を教会近くの駐車場に入れ、教会の鉄柵の門を開けると、石畳の先の教会の扉の前には 人影が二つ。 「あれ?!」 ルカが驚いた声を上げる。 教会の前に立っていたのは、神父姿のジェイドと マルコシアスだった。 マルコシアスは、シェムハザの城で知り合った悪魔だ。 ソロモン王に使役された一人で、30の軍を持つ。 天に反旗を翻したルシファーと共に堕天した 天使の一人らしく、本人は天へ戻りたいようで、 かのソロモン王にも “1200年経ったら天へ戻りたい”と、溢していたと聞くが、未だに戻れてないようだ。 そういういきさつもあって、祓魔師には従順。 そういや、ジェイドに仕えると言ってた気がする。 実際は、狼の身体にグリフォンの翼を持ち 尾は蛇という、幻獣の姿をしているが 今は軍人のような人型をしていて、オレと同じで顎ヒゲがある。 「めずらしい組み合わせだよな」 オレが言うと、ジェイドがため息をついた。 「どんな悪魔が見てやる、と言うんだ」 マルコシアスは、オレらが日本に帰ってからというもの、しょっちゅう教会を訪れ ジェイドを困らせているようだ。 「悪魔祓いをするというのに 教会に別の悪魔が居て どうするんだ」 ジェイドがマルコシアスに言っているが マルコシアスは真面目な顔で 「下級の者なら、俺が追い払う」と言ってきかない。 「まあ、いいんじゃねーのー? 最初にマルコシアスが憑かれた人見てさぁ、 祓いの時は、外で待ってればいーじゃん」 ルカが軽く提案するが、マルコシアスは 「人に憑くなど、よっぽど理由がなければ 下級の者がほとんどだ。祓う必要もない。 一睨みすれば憑いた者は逃げ出すだろう。 誰の配下か見て、管理を徹底させる」と譲らない。 そのうちに、教会の門の前に車が停まり 何人かの人が降りて来ると、ジェイドがまた ため息をついた。
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