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ダイナに憑かれていた男は、医者が診たところ とりあえずは異常はなく 自分の名前や、簡単な質問などにも答えることが出来、何度も頭を下げる母親と共に 詳しい検査を受けるために病院へ戻って行った。 今は、教会の裏にある ジェイドの家のリビングにいる。 最近は 仕事じゃない時でも ここに集まることが多い。 広い木のテーブルを挟んで、二つあるソファーの片方、右側が オレがいつも座る場所で 向かいにはジェイド、その隣にルカ。 朋樹がいれば、オレの隣に座る。 「泰河、コーヒーだろ?」と キッチンから声をかけてくるルカに 「おう」と返事して ジーパンから車の鍵やスマホをテーブルに置く。 普段、意味なく持ち歩いているピストルも。 黒い小振りのピストルは シェムハザにもらった物だ。 死神のピストルだが、死神が来たのは 一度だけ。 ジェイドに憑いた天使を撃った。 “平等” と名乗った そいつは オレの背後に立ち、ピストルの引き金を引かせた。 ああ、天使は消滅する。 瞬間に感覚で わかった。 それと同じで、このピストルは 実体には作用しないってこともわかる。 なら、霊性になら効くのか? それも死神が決めることのようで 人霊に向けても、死神は来なかった。
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