737人が本棚に入れています
本棚に追加
/224ページ
10
「皇帝?」と聞き直した ジェイドに
ボティスは頷いた。
「千年程前だ。皇帝は、地界の俺の城に
“退屈だ。天に攻め入ろう” と
ワインを飲みに来た」
ジェイドが 特に突っ込まなかったので
ボティスはスムーズに話しを進めている。
「丁重に御断りすると
“俺は夢を見たんだ” という。
俺等は、眠らされない限り 睡眠を必要としない。
何を言っているんだ?... と 黙っていると
“夢を見たことを思い出した気がするんだ” と
言い直され、更に わからなくなったが
さっきのメモにある言葉を言われた」
夢を見たことを思い出した?
実際には起こっていないことの記憶 ってことか?
予知 ってことだろうか?
子に降りたのは 皇帝なのか?
いや、そんなこと しそうにないが。
「“俺は新しい神かもしれない”... と
本気で呟いていたが
リリトを呼び、連れて帰らせた。
翌日はハティの城にも 同じことを言いに行ったようだが、ハティも話に乗らなかったので
攻め入ることは断念したようだ」
皇帝って、子供だよな...
ボティスは オレに
「“もっと俺を愛せ!” と 反逆したのだからな」と
ため息をついた。
「だが、力がある分 タチが悪い」
なんか、日本神話のスサノオ思い出すよな。
冥府、黄泉に行った母ちゃんに会いたくて
姉ちゃんとこで大暴れしたらしいし。
最初のコメントを投稿しよう!