737人が本棚に入れています
本棚に追加
/224ページ
11
「じゃあ、オレ
車の後に ついて行くからさぁ」
バイクに跨がって
ヘルメット被った ルカが言う。
朋樹に、全員6時に起こされ
ガキの時ぶりに拝殿の掃除をし、7時から朝飯。
子供が全員 成人しようが、雨宮家は当然、規則正しい生活だ。
今は、8時。
駐車場で車に乗って、集落に向かうところ。
「ドラッグスター クラシックか。
もう、生産終了したんだよな」
助手席で、ルカのバイクを見ながら
透樹くんが言う。
「ベースがベージュ、シートはブラウン。
落ち着いて きれいな感じだな」
「後で乗させてもらえば?」
「えー、傷つけたら悪いしなぁ... 」
隣から朋樹が、無言でクラクション鳴らしたので
駐車場から車を出すことにする。
あいつ、態度 悪ぃよなぁ。
朋樹の車には、ジェイドと榊が乗っている。
透樹くんが朋樹の車に ちらっと眼をやったが
「どこに行けばいいの?」と
丘を下りながら聞くと
「住宅街挟んで、向こうに見える山だよ。
山裾に民宿があるから、そこに 一晩お世話になることになる」と 自分のスマホのアドレスページを見ながら、車のナビに住所を入力してくれた。
最初のコメントを投稿しよう!