2.羽関錬空

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 彼女を見送ってから食器を洗い、ランドセルを背負って家を出た。  建物を出たところで望月英(もちづきえい)が待っていた。 ブレザーに高校指定のフェルトのコートを羽織った彼女は、人懐っこい笑みを浮かべた。 「おはよ、お姉ちゃん」 「おはよー、レンくん。これあげる」  ミトンの手袋越しにもんでいた、使い捨てカイロをこちらに寄越した。 「ありがと」 「ねえ、(りょう)くん、喜んでた?」  期待を込めて眼をきらきらさせる彼女に、練空はカイロをもみながらそっけなく答えた。 「うん、まあ」 「良かった。ねえ、また頼まれてくれる?」  彼女は喜色満面で言い、バッグから紙袋を取り出した。 ビーズやシールでごてごてにデコレートされている。 「自分で渡しなよ。彼氏なんでしょ」
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