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練空が顔をしかめると、彼女ははにかんで顔を振った。
「あの人さあ、見た目が怖いじゃん。お母さんが近付くなって言うから~」
「お母さんが正しいんじゃないの」
「もう、キミまでそんなこと言う?」
栄はふくれっ面をするので、練空は渋々ながら紙袋を受け取り、リュックに納めた。
雑談を交わしながら登校した。
ほとんどは栄がテレビやネットのことを一方的にしゃべり、練空が聞き返すという形だった。
栄は彼の頭につもった雪を手で払いのけて笑った。
「レンくんってかっこいいよね。モテるでしょ」
「別に」
「涼くんからキミに乗り換えちゃおうかな?」
錬空が嫌そうな顔をすると、笑って背を押した。
「ちょっとは嬉しそうにしてよ」
交差点のところで彼女と別れ、他の生徒に混ざって校門をくぐった。
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