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「おはよ」
「おはよう」
挨拶を交わし、朝食を共にする。
「うん、おいしい」
彼女は礼の代わりに感想を口にした。
毎朝繰り返されるどうということはない会話だが、錬空は嬉しそうに笑った。
食事を終え、流しに食器を入れてから、彼女はあわただしく準備を始めた。
練空が悠長に朝食を済ませていると、パンツスーツに着替えて居間に戻ってきた。
髪を後ろで編み上げている。
「朝練もいいけど、あんまりやりすぎると風邪引くわよ。行ってきます」
錬空はテーブル上のキーケースを取った。
「母さん、鍵!」
「おっとっと」
ポケットを手で探りながら、彼女は苦笑いして戻ってきた。
ケースを受け取り、再び玄関へ取って返す。
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