第十一章 MAD”Диана(マッド″ディアナ)

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「よし、こっち!」 美緒は即座に スタートを切る。 それに遅れてはならじと ディアナが続く。 既にこの時点で、 美緒が完全に イニシアティブを取っている。 なんと、 『MAD″ディアナ』を差し置いて...... タッ、タッ、タッ......  タッ、タッ、タッ...... 間も無く時刻は11時。 この時間ともなれば、 『アナディリ』のメインストリートは それなりの人だかり。 車の通行量も 渋滞とまでには至らないが、 信号が赤になれば それを待つ車が 車道を覆い尽くしていた。 そんなメインストリートを 疾風の如く走り抜けていく二人。 一方、 ガチャンッ! バキッ! 黒塗りワゴン車は、 停止車両に側面を激しくぶつけながら、 猛スピードで二人を追い掛け続けている。 「絶対仕留めるんだ! 逃したら終わりだぞ!」 後部座席から ドライバーを叱咤激励するリーダー。 その顔には、 ただ事ならぬ悲壮感が漂っていた。 彼らは恐れ多くも 『ヴァローナ』の重臣 『MAD″ディアナ』を襲撃している訳だ。 当然、 それなりの覚悟が 出来ているのだろう。 正に決死の追跡劇で あったに違いない。
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