第十一章 MAD”Диана(マッド″ディアナ)

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見れば...... 黒塗りワゴンが バラバラになって 見事空を飛んでいた。 まるで打ち上げ花火を 見ているようだ。 「あら......やっぱ『アナディリ』の街は、都会だけあって賑やかね。楽しいわ。フッ、フッ、フッ......」 ミーオが黒塗りワゴン車に張り付けたもの...... それは『EMA探偵事務所』ではお馴染みの プラスチック爆弾に他ならなかった。 どうやって 日本から持ち込んだのかは 一切不明だが、 今のミーオはフル装備。 勿論『ハイパワースタンガン』も ポケットの中に潜んでいる。 そんなミーオの有り得ない行動を 目の当たりにしたディアナは、 驚きを超え、 恐怖すら感じていた。 顔は完全に 興奮仕切っている。 どうやら...... 遂に、 何かを決意したみたいだ。 繰り返しになるが...... 『ヴァローナ』で あらゆる名声と地位を手に入れた ディアナ。 しかし、 彼女は孤独だった。 彼女の下には 優秀な『部下』が大勢いる。 ところがその者達は あくまでも『部下』であって 決して『パートナー』に 成り得る器では無かった。 そんな彼女が 心から欲していたもの...... それは自らが尊敬出来る 正にその『パートナー』 に他ならなかった。 この人しか居ない! ディアナの目は 爛々と輝いている。 この時点で、 ディアナがミーオに惚れ込んで いた事は 最早疑う余地が無かった。
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