第十一章 MAD”Диана(マッド″ディアナ)

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やがてディアナは 遂に重い口を開く。 「ミーオさん。どうか......」 「いいよ。でも刺青はやだからね」 ディアナの言葉を 途中で遮るミーオ。 「ほっ、ほんとに?!」 余りにあっさりとした ミーオの返答に ディアナは面喰らった様子。 「『ヴァローナ』でしょ。前から興味あったから。でも刺青はやだからね」 「わっ、解った。シールでいい。でもシールってバレないようにな」 「了解よ」 二人は互いに見詰め合い、 笑顔を浮かべている。 すっかり打ち解けてしまったようだ。 『ヴァローナ』をまんまと騙し 心の中では 密かにほくそ笑む美緒。 しかし美緒は、 その時、 同時にこんな事も思っていた。 この人が本当に悪人? 素直でいい奴じゃん...... 『ヴァローナ』と初めて接し 最初に感じた事は 美緒も圭一と同じだった。 美緒にしろ 圭一にしろ 極東ロシアにおける戦いは 今、幕を開けたばかり。 これから いかに長い戦いが繰り広げられていくのか? それは この時点で解る訳も無かった。 ただ一つだけ 忘れてはならない事がある。 それは 一度『ヴァローナ』に 入隊してしまったら、 如何なる理由があろうとも、 必ず一生『ヴァローナ』であると 言う事だ。
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