第二章 ворона (ヴァローナ/カラスの紋章)

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「〇☆¥$%※▲◎! (日本語:弱い者いじめは、良くないな)」    なんと! 瞬きする前は 誰も居なかった筈の目の前に、 一人の女が鋭い目付きで 自分を睨みつけているではないか! しかも...... その女は 刃物を持った自分の右手首を 180度折り曲げている。 それは人間の骨格上、 有り得ない角度だった。 「いててててっ!.......」 カラス男は苦痛に顔を歪め、 エマに手首を捻られたまま そのまま地にひざまずく。 やがて、 握力を失ったカラス男の手から 刃物が地に転がり落ちた。 コトンッ...... そんなエマの行動を 目の当たりにし、 一番舌を巻いていたのは 他でも無い。 イケメンロシア人通訳だった。 この華奢な身体のどこに あんなパワーが秘められてんだ? しかも...... 動きが速すぎて 全く見えなかったぞ。 もしかして 俺は幻でも見てたんじゃ無いか...... こいつはスゲーや...... 噂通りだ。 【※ここからは、イケメンロシア人通訳による、同時通訳でお伝えします。】 「な、何なんだ貴様は? 俺達が誰だか解ってやってんのか?!」 別の一人が 刃物を振り上げながら エマに怒鳴りつける。
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