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ブルルルン......
ギー、ガシャン。
ソフィアに遅れること丸1日。
スノーモービルのエンジンを停止し、
漸く『ネクラソフカ村』に降り立った
エマとアレク。
この日も昨日と同じ、
雲一つ無い清々しい天気だ。
そんな澄みきった青空とは裏腹に
静まり返ったこの村の空気は
暗雲に包まれていた。
村に到着するや否や
思わず目を見開く二人。
予想だにもしない
散々たる光景が
そこには広がっていた。
「なんじゃあ、こりゃ?」
「ヒデーな......」
見渡す限り一面に散乱する
斧、槍、棒、包丁......
そしてそれらと同じ数の死体が
足の踏み場も無い程に
散らばっているではないか。
その全てが凍りついている。
コチコチだ。
「一体、何があったって言うンダ......死体の数はざっとミテ30。ここは小さな村ダ......ほぼ全滅じゃ無いノカ?」
「いや......よく見てみろ。死体は全て大人ばかりだ。子供はどうしたんだ?」
「確かに......言われてみれば大人ばかりダ。マサカ......誘拐サレタ?」
アレクは未だ
信じられないような
表情を浮かべている。
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