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50前後の男性、
そして10才ちょっとの少女が
そんな神聖な空間で
静かに目を閉じていた。
顔色を見れば
それが亡骸である事は明らかだ。
「オイ、見てミロ。壁に写真が掲げられてるゾ。多分......そこの二人ダ」
見れば、
二枚の写真が。
木目調の額縁に収められ、
目の高さ程の位置に掲げられている。
一枚目には
『フランク村長』
そんな名が記されていた。
今、ベッドの上で冷たくなっている
その者と同じ顔だ。
ベッドの上の死体は
この村の村長だったようだ。
続いてもう一枚。
それはこの家の
家族の写真だった。
皆、幸せそうな笑顔を
浮かべている。
この写真を撮った時点では
近未来にこんな惨劇が起こる事など
夢にも思っていなかったに違いない。
胸が締め付けられるような
思いがする。
その写真の名札には、
『フランク村長』
『カミーラ』夫人
『ヴィクトル』兄
『ダリア』妹
そんな名が記されていた。
「この少女の死体は『ダリア』か......」
写真と顔を見比べ
そのように語るエマ。
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