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フッ、フッ、フッ......
この中に一人だけ
心の中でほくそ笑む者がいた。
それは、
エマでもなく、ソフィアでもなく、
その者だった。
するとその者は、
「よっし、気合い入れて救出スルゾッ!」
白々しいまでにやる気を見せる。
「おや、アレク君。一体どういう風の吹きまわしだ?」
「そりゃあ、気合い入るサ......」
そのように答えたその者の目は
エマでは無く、
別の者にロックオンされていた。
ザッ、ザッ、ザッ......
ザッ、ザッ、ザッ......
ヴィクトルの元へと向かって
必死に走るソフィアのすぐ後ろには、
今にも牙を剥こうとしている狼が存在した。
もう一度言う。
『反ヴァローナ同盟』は目的達成の為なら
手段を選ばないと言う事を......
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