第二十三章 предательство(裏切り/化けの皮)

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ガガガッ...... ガガガガッ...... 闇夜を疾風の如く邁進していく 二台のスノーモービル。 『ニコラエフスク・ナ・アムーレ』の駅では 寸前の所で『ヴァローナ』に阻まれ、 列車への乗車が叶わなかったエマとアレク。 その後、 列車脱線の一報を受け 即座にスノーモービルで 事故現場へ駆け付けた二人だった。 そこで ソフィアとの出会いを成し遂げたエマ。 出会うべくして出会った...... 正にそれは 神が作り上げた道筋通りの 運命的な出会いだったと言えよう。 「ソフィアさん、掴まっててね」 「はい!」 ソフィアを乗せた エマのスノーモービル。 そしてもう1台はアレク。 計2台のスノーモービルは稲妻の如く 深い森の中を右へ左へと滑走していく。 しかしそれよりも、もっと早く 突き進むものがあった。 それは、 ソフィアの逸る気持ちだった。 ヴィクトルさん、 今行くから! 待ってて! 待ってて! ほんの1分の滑走すらも、 ソフィアにとっては 10分にも、1時間にも感じられる。
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