第二十三章 предательство(裏切り/化けの皮)

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スノーモービルのコントロールを狂わす アイスバーンも...... 行く手を阻む 樹齢数百年の大木も...... 唯一の光源たる月光を遮る 常緑樹の枝葉も...... 邪魔する全ての存在を、 『愛』と言う名の烈風で 吹き飛ばそうとするソフィアだった。 それから 5分も走っただろうか...... 「あっ、ちょっと止まって下さい!」 過ぎ行く何かを見詰めながら ソフィアが突然叫び声を上げる。 1分1秒でも早く あの家へ辿り着きたい...... そんな願望で満たされた ソフィアの脳すらも、 その『何か』を見て見ぬ振りする事は 出来なかったらしい。 ギギギギギッ...... ギギギギギッ...... 二台のスノーモービルは、 そんなソフィアの号令にすぐ様反応し 即座に停止を見せた。 よっぽどの事に違いない!...... 逸るソフィアの気持ちを考えても それは容易に想像出来る事だった。 「ソフィアさん、どうしたの?」 並々ならぬ表情を浮かべながら エマが慌てて問い掛けると、 ソフィアから返って来た答えは 思いの外、奇妙な内容だった。
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