第二十三章 предательство(裏切り/化けの皮)

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「これ......私、絶対に見た事ある」 目を大きく見開き そのような解説を始めたソフィアは、 大自然の中にそびえ立つ その人為的な建造物を指差してした。 「これって......もしかしてお墓?」 見れば、 目の前には大きな十字架が。 十字架の下には こんもり土が盛られている。 勿論、 雪に覆い尽くされている訳ではあるが、 明らかに隆起し、小高い丘を形成していた。 十字架は思いの外、 大きかった。 高さにして 3メートルはあろうか。 そんな背丈だったとは言え、 時速50キロ強で暗闇を滑走する中、 よくその存在に気付いたものだ。 「多分墓ダロウ......これはロシア正教の十字架ダ」 追い付いて来たアレクが 解説を加えた。 さすが ロシア国民だけの事はある。 「私......こんな所に来た事無いのに、この十字架は絶対に見た事があるんです。 雪に覆われた森の中、こんもりと隆起した地面、やはり間違いありません。写真とかでは無く、この目で見ています。本当に......不思議なんですが」
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