第二十三章 предательство(裏切り/化けの皮)

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「おい、エマさん! ちょっと来てみろ!」 すると、 突然アレクが驚きの叫び声を上げた。 何事かと振り返ってみると、 アレクは十字架の正面に立ち なぜか目を丸くしている。 「おい、どうした?! 幽霊でも居たのか?」 半笑いで 問い掛けるエマ。 どうやら、 アレクの放つ緊迫感が エマには全く伝わっていないようだ。 すると、 そんなエマの反応にイラついたアレクは、 「冗談言ってる場合じゃ無い。とにかく来てみろっテ!」 全く...... この急いでる時に...... またくだらない事だったら どやしてやるぞ! 半信半疑で 十字架へと近付いてみる。 するとそこには...... 想像を絶する 仰天の事実が遺されていた! 「こっ、これは......」 あまりの驚きに さすがのエマも動揺を隠せない。 「ビックリだろ......偶然か?」 アレクも これまでに見た事も無いような 驚きの表情を浮かべている。 一体、 二人は何を見たと言うのだろうか? その答えは、 十字架に刻まれた 飛んでもない文字にあった。 『マーラ・ルカ ここに眠る』 古びてはいるが、 間違いなく、そのように刻まれていた。 しかも日付は ちょうど一年前。 ソフィアが 『ヴァローナ』に連れ去られた時期と 合致している。 もはや、 偶然などと言う世迷い言が 通じるレベルの話では無かった。
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