第二十三章 предательство(裏切り/化けの皮)

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木々の隙間からちょこんと顔を出し、 その先の様子を伺う三人。 距離にして凡そ30メートル程。 そこに その家はあった。 予想した通り、 家の周りには複数の武装した兵隊が ウロウロと動き回っている。 人数にして、4~5人。 この距離では 左手首の『カラス』まで確認は出来ないが、 体躯、風貌からして凡そ間違いは無い。 明らかなる『ヴァローナ』だ。 とは言え、敵は少人数。 ここを突破するのに、 さしたる策を用いる必要も 無かろう。 エマの頭の中でも、 正面突破で凡その勝算は見えていた。 「ヴィクトルさんが捕らえられているのは多分、家の中では無く、その隣の家畜小屋だと思います。 あの近くを通った時、人の呻き声が聞こえました。恐らく複数の人があの中で監禁されていると思います」 あそこヴィクトルさんが! ソフィアはもう 居ても立ってもいられない様子だ。
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