戸惑い

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高く持ち上げられた足は洸の肩に乗って指を抜かれた喪失感とヒクつく蕾は洸に丸見えだし、もう羞恥で枕を顔の上に乗せた。それさえ簡単に剥ぎ取られ両手で顔を覆う。 「翔…入れるよ」 熱い熱の塊がヒクつく孔に充てがわれて、身体に力が入る。 「翔…」 近くなった声に指の間から覗くと鼻先が触れるくらい間近に洸の顔があって長い指が覆った手をゆっくり剥いでいく。 「恥ずかしい?俺だって恥ずかしいよ。でも俺さ、翔を抱く夢を何度も見たんだ。やっと本物の翔を抱ける。嬉しいよ。大好きだよ、翔」 鼻先が触れ、唇が重なる。舌先でノックをされ薄っすら開けたその隙間に洸の舌が入り込んだ。絡め取られる舌先を懸命に応えようと絡ませる。身体の力が抜けキスに夢中になりかけたその時、狭い内壁をこじ開けるように洸が入ってくる。それを忘れさせるように、激しく深くなっていくキスに集中しようと舌を絡ませた。 すごい圧力で僕の中に入ってくる。苦しい。だけどそれよりも嬉しいと心が叫び、洸を受け入れようと僕の中は収縮を繰り返す。 洸の初めてが僕じゃなくても。洸が今求めてるのは僕だという事実。その気持ちが僕に向いていればいい。 「は、入った!翔…全部!」     
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