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俯く顎を持ち上げられ、視線を上げた時には唇が重なっていた。無防備に空いた隙間から洸の舌が滑り込んでくる。後頭部を支えた手が自由を奪って深いキスになっていき、仕事の疲れと洸の熱に当てられてぼんやりと思考は動き回る舌を追いかけていた。
離れた口元に紅い舌が覗く。いやらしくテカリのある唇をじっと見つめていいると「ああ、もう」と
すっぽり抱きしめられ肩に顎を乗せた洸は大きなため息を吐いて抱きしめてくれる。
「可愛いなぁ。翔…ほんと可愛い」
いい歳をした男を捕まえて可愛いを連呼するの洸に戸惑ってしまう。可愛いなんてどこを見て言ってるのか。それでも洸には可愛く見えている自分が少し嬉しい思ってしまう。
「今日はさ、軽いキスぐらいにしておこうって思ってたのに…翔を見たら止まんなくなった」
ごめんと謝り離れていった。洸だってかっこいいよ。昔も今も洸はかっこいい。
借りたスエットに履き替えて洸が作ってくれた唐揚げを美味しく頂いた。
「今日はさ、腹割って話したいと思ってたんだ。その前に胃袋掴んどこうかなって思ってさ」
後片付けを並んでしていると洸は笑いながらそう言った。
胃袋もハートも掴まれてるけどね…なんて返せる僕ではないけど。
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