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「そっか…大事に住んでくれる人だといいな」
僕達の思い出が詰まった場所。そして僕達を繋いだ家。それは洸も僕も心の中で色褪せず残っていく。
そう大事に住んでくれる人が僕達の思い出を守ってくれる。そう信じてる。
「俺と翔のこれからも考えないとな。そろそろいい歳だし…一緒に住むか?」
無性に食べたくなるときがあるんだって、唐揚げを食べている最中に喉に詰まることを口走った。
「クッホッ、一緒に?」
胸元を叩きながら、渡してくれたお茶を一気飲みする。
「これからもさ、ずっとこうやって一緒にいるんだったら一緒に住んでもいんじゃない?」
そう言われて、今住んでいるマンションは僕が結婚して住んでいい家だって母さんが言っていたのを思い出した。
「うちに…住む?賃貸じゃないし、あの家は僕の実家だけど…僕は引っ越せないから洸が来てくれたら嬉しい」
箸を止めた洸は「ご両親に挨拶しなきゃ!」って、正座をした。
実は洸に再開して気持ちが吹っ切れた頃、母さんに電話をして好きな人がいるって話してる。そして、それが洸だってことも。
「知ってるわよ。洸君の写真飾ってあったじゃない」
あっけらかんと言われて拍子抜けしたんだ。そう、あの写真は僕を幸せにしてくれた写真。
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