信州そば粉のガレット

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 唯香ちゃんは、肩を竦め身震いさせた。少し唇が青く感じたのは、気のせいだろうか。二人共ダウンコートを羽織っていたとはいえ、強烈な寒さだった。  けれども唯香ちゃんも、私がこの前まで住んでいた東京に住んでいたなんて、信じられなかった。同じ土地に住み、同じ空気を吸っていたなんて。  そして何故かお互い、連絡をしなかった。高校時代あんなに仲が良かったのに。でもこうして再会して、また仲良くお喋り出来るのが、嬉しい。  別れた男と女なら、こうはいかないから。唯香ちゃんとは帰り道が違う為、カフェの前で解散した。  姉の住まいへ戻っていると、バターとチーズとハムの濃厚で食欲をそそる匂いが鼻孔をくすぐった。  私はドアをあけ「ただいま」と姉に言う。 「お帰り」
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