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 そば粉を使った、クレープをガレットって言うの。フランスのブルターニュ地方の郷土料理よ」と姉は、得意げに鼻を鳴らした。  それを知らなかった私は「そうなんだ?」と、思わず声をあげてしまった。ただのクレープかと思っていた。  フランスのブルターニュ地方では、昔、土地が痩せていた為、なかなか植物や野菜が育たなかったらしい。しかし、蕎麦は育ったという。  その蕎麦の粉と水を合わせて作られたものが、ガレットなのだそうだ。だからフランス料理の店にあったのか、と納得した。 「それにさ、フランスではパンケーキをクレープっていうの」 「えぇーっ、知らなかった」  またそれは大きな発見だった。そしてガレットは、薄くて丸い物を表す言葉なのだという。
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