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「バター入れすぎじゃないですか?」 「でもまぁ、これ位は入れないとさ、程よい焦げ茶色にならないんだよ」  そのまま続けてフライパンを動かし、ガレット生地を伸ばす。  あぁ、そうだったのか。目から鱗だった。ガレットの焦げ茶色の色は、バターの色だったのか。蕎麦の色だけではない事に、少し驚きを覚える。  料理は奥深いと感心した。 「まぁ、見ててくれ、この上に卵を落とすんだ」  義兄の言葉に私はまた、驚きを覚えた。てっきり裏を返して焼いているのだとばかり思っていたから。  そのまま、焼いている生地の上に卵を落とし、ハム、チーズをまた綺麗に手際よくトッピングする。流石だと感心した。  プロの手つきを見ていると、素人の私はまだまだ上手に焼くまでに時間がかかりそうだと、実感した。眉を顰めてフライパンの中を眺めていると、義兄は苦笑いで応じた。
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