ガラスの靴のプリンアラモード

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 階段を下りていくと、とても観光地の土地とは思えない程、うら寂しさに包まれていた。    タクシーが数台、そして迎えの車が数台、ロータリーに停まっているのみ。ほとんど人は歩いていなかった。やはり、お城口の方が賑やかさはあると、再び感じる。  実は両親に、帰る事を知らせていない。帰ったらどんな顔をされるだろう。ほとんど親とは連絡を、取っていない為、この先の事を想像してみると、少し怖かった。私には四つ年上の姉がおり、既に結婚しているが、姉とも音信不通だった。  学生時代、成績が優秀だった私は両親の誇りだったから、きっとがっかりされると、予想する。  心に暗い影が差して行く。  そして、身も寒い。この寒さは今の心情そのもの。  私はここから一刻も早く去り、暖かい場所へ移動したかった。  目の前に見える美しい北アルプスが、心配気に私を見つめている気がした。
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