ガラスの靴のプリンアラモード

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 けれども私の気持ちは、少し気持ちが蝕む。行くところがなくて、実家に帰るなんて、甘ったれているのは百も承知だった。  タクシーの窓からは、懐かしい光景が流れていた。私の子供の頃の光景とそんなに変わりはなかった。新しいマンションがいつの間にか出来ていたり、コンビニが出来ていたり、そんな所だ。  地方として一般的な風景が、流れていく。すぐに私の実家は到着した。  築三十年の一戸建て。  青い屋根瓦が特徴だった。少し年季が入りはじめている。私はお金を運転手さんに払い、タクシーを降りた。  重いため息を一つ、落とした時だった。 「あら、あんた、どうしたの?」  背後から少しハスキー声が、聞こえる。懐かしい声。この声は私の知っている中で、たった一人しかいない。  背後から少しハスキー声が、聞こえる。懐かしい声。この声は私の知っている中で、たった一人しかいない。  姉だ。私はくるりと、振り向いた。
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