ガラスの靴のプリンアラモード

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 髪が長く、相変わらず痩躯で、背が高い姉が立っていた。姉の身長は百七十センチと、女性にしては高めの身長だ。性格はほんの少しきつい所があるが、二十瞼と柔和な童顔からそんな風には全く見えないから、不思議である。  私といえば……。  凡人な顔立ちをしている。一重だし、本当に姉妹なのか、と言われたりもする。全然似ていないから。姉の方が美人である事は確かである。  髪は一度短くしたが似合わなかった為、最近は髪を伸ばし始めた。 「何? 会社でも頸になった?」  ケラケラと姉は笑う。呑気そうな口調で。でも事実なので、私は笑えなかった。黙っていると姉が、真剣な顔になる。 「何? マジなの?」  私はその言葉に、こくん。と無言で首肯する。  姉は目を瞬かせ「は?」と言ったっきり。責められると思ったが「まぁ、家に入ろう」と私を手招きした。
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