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家には両親は共稼ぎの為、いなかった。父はまだ定年になっていないし、母は仕出し屋さんでパートの仕事を始めたそうだ。
懐かしいリビング。
少し大きめのこたつに、テレビ。こたつの上には、干し柿とみかんが、置かれていた。少しさびれたソファ。どことなく昭和時代の民家の中を彷彿させる。
姉は黙々とお茶を淹れてくれた。
左手の薬指には、姉の誕生石の小さなパールが入った結婚指輪。
姉の名は、宮坂美穂。結婚して苗字が変わった。姉の名が美穂で、妹の私が夏帆。両親は似たような名前をつけたものだ。姉の旦那さんは、行政書士。確か最近独立したばかりだと、聞いた。
「無職になっちゃったか」
姉はアツアツの緑茶を啜りながら、私に尋ねて来た。いつも姉の勘は鋭かった。私の事を何でも知っているような、そんな感じ。
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