解と 02

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「……悪い」  ようやく城が口を開いた。 「〈神器〉が……見えない…………」 「……見えないっていうのは?」  最悪だ。ステータスを隠蔽する〈神器〉か……。  使いようもくそも、まずこれじゃ戦えないし無理ゲーでしょ。  夢の異世界ライフ終わった。  ……いや待て、隠蔽なら身分を偽ってあらゆることができるんじゃ……? 「〈神器〉がないんだ。ステータスをごまかすものかと思ったけどそんな感じじゃない。  それに、君は〈神器〉の……欄っていうのかな、それがそもそもない……」 「なんだよそれ……つまり……」  城が深刻そうな顔で、重々しく口を開いた。 「……君は」  動悸が早まる。息がしづらい。  足がすかすかになったように心許なく感じた。  城の言葉の意味を理解できていても受け入れられず、頭が痛い。 「〈神器〉を持ってないんだ」 城煉(しろれん) 〈神器〉【識】  高身長でひょろい。鑑定スキルで活躍。 堺悠人(さかいゆうと) 〈神器〉【傷】  瑠花を助けられずしょんぼり。 重久歌春(しげひさうたはる) 〈神器〉【解】 〈神器〉で大活躍。女子におさわりできてちょっとだけ喜んでいる。 釘本瑠花(くぎもとるか) 〈神器〉【止】  歌春の〈神器〉で治った。 荻灯(おぎあかり) 〈神器〉【換】  気がついたばかりの瑠花に状況を説明してあげている。 望月永朔(もちづきえいさく)          主人公(笑)。クズスキルどころか、そもそも〈神器〉がないことが判明。
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