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部屋には木製の高価そうなテーブルと椅子があるので、俺たちはそこに腰かけた。
「聞いてた通り隣同士の部屋は間取りが逆だな」
「そうなんだ。家具とか備品とか違ったりする?」
「んー…………見た感じまったく同じだな。いちいち別のものにしたら文句言われかねないから全部統一してるんだろ」
それもそうか。変なところで違いがあったら不満を買うことになる可能性がある。
「それじゃあさっそく本題にはいるか」
「うん」
歌春の雰囲気が真剣なものに変わった。俺もそれに合わせて声のトーンを落とす。
「まず、俺たちが召喚された時、歴史の授業で、教室で自習だった……よな?」
「そうだね。間違いない」
「時計は見たか? 俺はいきなりだったから見てない」
「見てないけど……でも、授業が始まってからどのくらいだったか考えればだいたいはわかるね」
「そうか……そうだな。次、永朔(えいさく)お前スマホ持ってたよな? 充電ある?」
実は〈神器〉の鑑定待ちの時、歌春の私事で自分の持ち物を確認していたのですぐに答えられた。
「持ってる。充電は92%。圏外だった。歌春は?」
「俺も持ってる。充電は13%で、圏外」
「充電なさすぎじゃない??」
「昨日の夜充電し忘れたんだよ……」
あー俺もたまにある。よりによって今日なのか……。
「でもスマホは特に使い道ないよね。特別な機能とか追加されてないみたいだし」
「それに異世界にスマホ持って行っても『それスマホいる?』とか言われることあるし」
「やめろ。それとこれとは別」
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