1-2 郷に入っては郷に従え?

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 盛大な拍手で歓迎されたが、どこからか質問が飛んできた。 「歳はいくつですか!?」 「26です」 「若っ! 万年最年少男子の松田より若いぞ!」 「よっしゃ。やっと後輩ができた!」  どっと笑い声が起きた。 人が暖かそうでよかった。  朝礼が追わると皆それぞれの業務を始めた。まずは、自分が所属する部署のメンバーとの顔合わせ。直属の上司となる、小池部長。その下に浮田課長、岩沼係長、川崎主任、他に男性と女性が2人。計6名の部員が居た。一人一人、自己紹介してもらうと、浮田課長から指示が出た。 「教育係は松田に任せる。頼むよ」 「松田、初めての後輩ができたな。しっかり面倒見ろよ」 「新米先輩頑張れ!」  上司、同僚から口々に激励された松田さんはやる気満々の様子。 「はい! 任せてください!」 「よろしくお願いします。松田さん」  今までは自分が後輩の教育係だったが、今度は逆。久しぶりに上に教育係がついた。 初心忘るべからず。気が引き締まった気がした。やる気十分の元・万年最年少男子の松田さんから差し出された手を握ると、力強く握り返された。 「よろしく!」  デスクは松田さんの隣。指示を聞きながらパソコンの設定をしていると、ボブヘアの女性が手に色々持ってやってきた。     
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