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昼休憩の時間になった。デスクの上の書類をまとめ、弁当を食べる場所を開けようと整理整頓していると、赤城さんに声をかけられた。
「梅村くん、お昼一緒にいい?」
赤城さんは、いつもは総務の島で女性陣とおしゃべりしながらのランチのはず。俺も毎日、同じ島の人たちとデスクで食べる。今日はなぜか珍しく赤城さんに誘われた。
「お。赤城さんのお誘いだぞ。行ってこい、梅村!」
松田さんに背中を押され、誘いを受けた。
「はい。ご一緒させてください」
「ごめんね、松田くん。梅村くん借りるね」
「いいよいいよ!」
天気がいいので、敷地内にある小さな庭に向かった。薬草を植えてある庭があるとは聞いていたが、その日初めて足を踏み入れた。木陰に置いてあるベンチに腰掛け、弁当箱を開いた。
「たまにはいいね。外でのご飯」
「そうですね」
赤城さんの興味が俺の弁当に向いていた。
「そのお弁当、親御さん?」
「あ、これですか? 自分で作ってます。一人暮らしなんで」
「え、すごい! わたしも一人暮らしだけど、こんなのしか……」
そう言う赤城さんのお弁当はサンドイッチとサラダだった。
「いいじゃないですか。手早くできて栄養バランスもとりやすいですし」
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