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笑顔でそう返すと赤城さんは少し恥ずかしそうにうつむいた。
「……もうちょっと頑張ろ」
前の職場では、会社の近くにある店のローテーション。一人で行ったり、先輩と行ったり、同期と行ったり。さっさと食べたら、すぐに帰ってデスクで突っ伏して仮眠。それが当たり前だった。
悔しいが、今の会社の方がはるかに人間的だ。先輩たちとたわいもない話をしながら、弁当をつつく。食後にお茶を飲みながら、午後の始業時間までまた雑談しながらまったりと過ごす。こんな職場もあるのだと最初は驚いたが、案外気に入り始めた自分がいる。
「そうそう、お仕事どう? もう慣れた?」
「まぁ、ぼちぼちってとこですかね」
「……秘書の方は大丈夫?」
社長室に行ってもすぐに帰ってきて、一日のほとんどを企画営業部の島で過ごす。兼務という触れ込みで入ってきたのだから、皆が心配するのも当然だった。今朝も松田さんに心配された。
「社長が俺を寄せ付けません…… 雑用ばかりしてます……」
「そっか……」
未だによくわかっていない社長という人。同じ会社の人間なら知ってるはずだ。
「赤城さんから見て、社長ってどんな人ですか?」
「そうだな…… 隙がない完璧な人。先代と全然違うから、本当にあの人の息子なのかなって思う」
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