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「別れよ」
週末、レストランでのディナーデート後に彼女はそう言った。出向のことを告げた途端に。
もちろん反応は決まっている。
「え、なんで?」
大きなため息をつきながらも、悪びれる様子もなく彼女は言った。
「テイのいい左遷でしょそれ。秘書なんか任されてすぐに帰れると思う?」
「左遷って。え、でも……」
「どう見ても、アウトでしょ。もう戻ってこれないでしょ? お互いのために、別れよ」
反論する気は失せた。
俺は何でこんな女が好きだったんだろう。一気に酔いも恋も冷めた。
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