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神々との邂逅
教科書の記述を訝しんていた太郎は、ふと背後に気配を感じた。
振り返ると、なにやら神々しくも、露出度が高くて豊満な肉体の女性が1人、神妙な顔つきで立っていた。
そして太郎が驚きの声を上げる間もなく、太郎の頭の中に直接、何者かの声が恐ろしく高密度かつ精緻に響き渡った。
(気づいてくださってありがとう。突然の事だけど、とにかく私達の仲間を助けて欲しいの。今もう時間が全然ないから、最低限必要なことだけ説明します。
まず、私は神です。何の神かというと、π【パイ】です。いわゆる円周率の、数学記号神です。
次に、あなたに助けていただきたいのは、私達の仲間、数学記号神の1人です。先ほど貴方が読んでいた数学の教科書がおかしかったのは、彼女が苦境に陥っていて、その影響が現実の数学の概念にまで及んでいるからです。
最後に、あなたにやって欲しい事ですが、私達の代理人として、戦って、相手を打ち負かしてください。
・・・・・・すみませんが、いま説明できることは以上です。それではさっそく、神々の戦いの場にご案内します)
瞬時にそれだけの説明をされ、その後にようやく太郎が人間の反応速度で、見知らぬ女神が背後に立っていたことへの驚愕の「うわっ」という発生をし終わった頃には、太郎は全く見知らぬ、「神々の戦いの場」へと降臨していた。
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