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「それではただいまより、第1?5687垓5803京0464兆7500億1321万4100回、アイの神々の戦いの決勝戦を執り行う!」
厳かな声で告げられた「決勝戦」について、太郎は驚くばかりではなく、恐怖を感じた。事態は全く飲み込めていないが、先ほどのπの女神とやらの説明では、ここで自分が戦わなくてはならないらしい。
(虚しいわ・・・・・・)
微かに頭の中に声が響いたような気がして辺りを見回すと、何かこう、「虚しさ」の塊、としか言いようのない女性が1人、足元にうずくまっていた。太郎は、ほんの少しだけ事態を把握した。これが、先ほどの説明にあった、πの女神の仲間である、苦境に陥っている数学記号神の1人なのだろう。
「あのぅ、よくわかってないんですが、私があなたのために戦う、って聞いてきたんですけど、そういうことでいいんでしょうか?」
太郎はともかくその女神に話しかけてみたが、女神は虚空を見つめながら、虚無的な言葉を紡ぐだけだった。
太郎は、驚きと恐怖に加えて、困惑を感じた。どうにもこの女神と自分の間には、存在の軸がまるで異なっているような断絶があるようだ。
「神々の戦士たちよ、いざ、戦いをはじめよ!」
なんということだろう、ほとんどなんの準備もできていないのに、この目の前の女神がなんなのかもわからないのに、どうやらもう実際に戦わなくてはならないらしい。
やがて、太郎の前に「対戦相手」が現れた。
「!?!?!?花子!?!?!?」
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