運命の戦い

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運命の戦い

「太郎!?なぜあなたが・・・・・・」 呆然とした顔でつぶやいた顔を見て、太郎は確信した。間違いなく、恋人の、花子だ。花子が自分に向ける呆れ顔を、見間違えるはずもない。 「なあ花子、俺はこれが、なにがとうなってのなんなのか、全然わからないんだが、お前は何か知っているのか?」 「太郎には何にも説明がなかったの?」 「ほぼなかった」 「・・・・・・うーん、対戦相手に伝えていいのかなぁ。神様、そのへんどうですか?あ、いいんですか。じゃあそうします」 どうやら、花子の側の神様が了承してくれたようで、それからしばらくの後、太郎は花子の説明を真剣に耳に入れた。ようやく太郎が理解した事態は、以下のようなものであった。 ・これは、無限の時間を持つ神々が戯れに行っているゲームの一つで、「アイの神々」同士でトーナメント戦をやっているとのこと。 ・「アイの神々」というのは、日本語で「アイ」を指す物や概念に宿る神たちのことで、花子が代表しているのはその中でも最強格の、「愛の神」だそうだ。他にも、「藍の神(青(あお)は藍(あい)より出(い)でて藍より青し、の藍色の藍)」や、「Iの神(英語での、大文字のI(私)」や、「哀の神」など、いろんな「アイの神々」がいる。 ・太郎が代表しているのは、「iの神(英語の小文字のiで、虚数のこと)」で、今までのこのトーナメントではずっと負け続きだが、今回珍しく決勝戦まで勝ち抜いた。 ・このトーナメントは神々の遊びだが、勝つと現実世界への影響力が僅かながら強くなり、負けるとその逆に弱くなるとのことで、「iの神」はずっと負け続けたために、次にもうげ一度負ければ、ほとんど現実世界への影響力を失うくらいまで追い詰められていたらしい。
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