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戦いの結果
太郎は、気がつくと自分の勉強部屋に戻っていた。目の前の教科書を読んでみると、以下の記述があった。
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・・・・・・しかし、現実的には「実数」があれば十分であっても、数学的には「実数」だけでは十分でない事が、数学の発展によりわかってきました。
数学を研究するに当たって、方程式というものが、非常に重要となります。方程式とは値が分からない文字xを含んだ式です。その方程式を解くには、その未知なるxがいくらなのかを考え,答えを出さなければなりません。
「実数」でも、1次方程式までは問題はおこりません。しかし2次方程式で、さっそく「実数」だけでは困ったことになります。
「xの2乗=-1」
上記の方程式の解は、どんな「実数」では示せません。そこで数学は、荒業ではありますが、この解を考えて定義し、【i】という記号で示す事にしたのです。これが「虚数」の始まりです・・・・・・
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太郎は、いろいろと思うところがあったような気もしたが、徹夜によって思考力が低下していたので、とにかく余計な事を考えずに、教科書に書いてある事を頭に叩き込んだ。そして夜明けまで一夜漬けの勉強を続け、そのまま試験に臨んだ。
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