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あじさい
例年よりも気温が低い日が続く。
夏至の今朝も、また梅雨空だ。
広げた傘の背中を見送って幾歳月。
庭先に瑞々しくあじさいが咲いている。
花の色が冷たい色だから、
花ことばが「冷酷」なんてね。
“美しく、冷たい、青。”
人の心を集め、一つの形をして、
そして、儚く枯れゆく様までも美しい。
そんなんじゃない、と言うかしら。
ただ花の呈した色だけを見ていても、
胸の内は、きっと見えないでしょう。
次に咲くときには何色か。
宵闇にあなたの藍色の心臓が、たくさんの涙を集めては、空へと返す花になる。
Hydrangea
ハイドランジア
あじさいは、雨を受ける 水の器。
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